私は肯定派でも否定派でもなく、
ずっと同じチャンネルで見ているわけでもなく、
たまに気が向いた時にチャンネルを合わせて
ちょっと興味がわいた時にしばらく見るという
いわゆる一般的視聴者と言いましょうか、
テレビ側からしたらあまり嬉しい視聴者とは言えませんね。
とはいえ、コンセプト自体はそこそこ好きで、
普段はあまりスポットライトの当たらない人たちが頑張る姿や
みんなで力を合わせて何かを達成しようという試みはいいと思います。
ちょっとお涙頂戴感が過ぎるかな?とも思うのが玉に瑕ですが。
その中でいわゆる縦軸というのでしょうか、
24時間マラソンという企画があります。
24時間の放送の間、マラソンをして
放送終了に合わせて武道館に帰ってくるというものです。
うまいこと距離を調整して、ちょうど放送終了間際にゴールできるか、
というハラハラ感を演出されていて、とてもすごいと思います。
今年走ったのはお笑い芸人のブルゾンちえみさん。
そして今年は異例のマラソンランナーの当日発表ということもあり、
テレビ局もいろいろ手探りだったようです。
毎年、この放送の後日、マラソンの裏側を取材したものをまとめて
放送する番組があります。これが結構好きなんです。
24時間テレビの放送中では、たまにしか映らないマラソンの中継。
しかしその裏ではいろいろなドラマが起こっているのです。
サポートスタッフの必死のサポート、
マラソンランナーの痛み、
中継班との調整、
視聴者が知りえないことを、ここで放送してくれるのです。
しかし今年の放送を見ると、ちょっと「?」と思うことがありました。
距離と時間
算数の勉強です。
距離÷時間は?
答えは速度(速さ)ですよね。
「はじき」なんて覚え方をしたかもしれません。
今回、ブルゾンさんが今年のランナーだと発表されてから、
スタート地点まで急いで車で移動しました。
その距離、90㎞と放送されました。
そして移動時間はまさかの30分。
え?30分?
えっと、この場合車の時速を求めるのだから、
90㎞÷0.5時間とすればいいんですよね?
私間違ってませんよね?
答えは180です。
つまり時速180㎞で移動したことになります。
いやいや、さすがにそれは無理がありますよね。
いくら何でも危ないし、警察も黙ってないでしょう。
ここで仮説です。
①スタート地点がもっと近かった(当日、それも直前の発表は本当です!)
②移動時間がもっと長かった(90㎞走るのは本当です!)
③いやいや、本当に時速180㎞で移動したんですよ(当日発表も90㎞走るのも、本当なんです!)
以上が考えられますね。
①のスタート地点が近かったとしましょう。
普通、車での移動はどんなに早くても大体平均時速30~50㎞くらいに落ち着きます。
平均時速50㎞と仮定すると、30分で移動できる距離は25㎞となります。
ずっと高速道路を走ったので、平均時速100㎞でしたよ!(無茶ですけど)
そう仮定しても、30分で走れる距離は50㎞です。
つまりスタート地点は、武道館から25㎞までの距離、
どんなに遠くても50㎞の距離と言えます。
②移動時間が長かったとしましょう。
ブルゾンさんへの告知が実はもっと早く、
移動開始時間も実はもっと早かったとすると、
90㎞先への移動も可能になります。
この場合、時速50㎞での移動だとすると
90÷50=1.8となり、1.8時間の移動時間になります。
つまり約2時間前には移動を開始していた計算になるでしょう。
③は・・・考える必要、ありますか??
ランナーからの考察
今度は逆に、ブルゾンさんサイドから考えてみましょうか。
プロのマラソンランナーの走る速度は大体17,18㎞くらいだそうです。
42㎞を2時間半ほどで走るので、計算もあってますね。
しかし一般人の走る速度は、大体10㎞前後だそうです。
それもそこそこ速いくらいで、ジョギングレベルだと時速8㎞くらいに落ち着きます。
普通に歩くのが時速4㎞くらいと言われているので、
大体その間で走っていることになるでしょう。
映像を見る限り、ブルゾンさんはそんなに遅くはなかったようにお見受けします。
学生時代は陸上をやっていたこともあるそうで、
坂本トレーナーもお墨付き、と言っていたと思います。
そう考えると、一応時速10㎞で走っていたと仮定できそうです。
さて、今度は時間です。
一応24時間マラソンなのだから24時間、としたいのですが、
途中で休憩時間などもあるので、そう単純でもないです。
見たところ、朝方に仮眠として1時間ほどの休憩を取っていたようです。
そしてちょくちょく休憩ポイントで小休止を入れています。
全部でいくつあったのでしょうか、
例えば10か所あったとして、一か所30分の休憩を入れていたとすると
300分、つまり5時間もの休憩時間となります。
先ほどの1時間を含めて、6時間休憩したとしましょう。
つまり24-6で残り18時間走っていたことになります。
18時間の間、時速10㎞で走ると、どれくらいの距離になるのか。
また算数の時間です。
今度は単純にかければいいので、18×10で180㎞となります。
おや?すでに90㎞の2倍を走る計算になってしまいました。
実際は休憩場所がもっと少なかったり、
休憩時間がもっと少なかったり、と
誤差があるでしょうから、
ブルゾンさん側から見た場合、
24時間で90㎞を走りきるというのは、決して無茶ではなく
むしろ順当にいけば簡単だったかもしれませんね。
明らかにしておきたいんだけど
ここでもう一度強調しておきたいのですが、
私は決して24時間マラソン、
ひいては24時間テレビを否定しているわけではありません。
むしろ好きなほうです。
マラソンランナーは必死になって本当に走っているのだろうし、
サポートメンバーやテレビ局のスタッフたちは、必死にサポートしてるだろうし、
そういう姿も伝わってきてます。感動します。
ただ、今回、90㎞の距離を30分で移動、というのを聞いたので
え?それって計算おかしくない??
というちょっとした疑問です。
ただ、私はこの放送を見てはいましたが、
残念ながら録画はしていませんので、再度確認することができません。
もしかしたら、ただの私の勘違いだったということも
あるかもしれません。
その場合は、すぐさま謝罪し、記事を撤回したいと思ってます。
とどのつまり
結局どういうことだろうか?
30分で90㎞を移動したということが本当であるならば、
車で時速180㎞出していたことになります。
これはさすがに無理がありますよね。
ということは、どこかに嘘があることになります。
30分が嘘なのか?
90㎞が嘘なのか?
30分が嘘ならば、ブルゾンさんはもっと早くに知っていて
といっても、当日でも問題はないのですが、
2,3時間前には移動をしていたことになります。
ただ、実際に放送開始したときに武道館にブルゾンさんの姿がありました。
ということは、この仮説は成り立ちません。
ということは、必然的に90㎞というのが嘘ということになるでしょう。
30分で移動出来るのはせいぜい25㎞ほど。
なのでマラソンで走ったのも25㎞ほどではないか?
というのが私の結論です。
ブルゾンさんはマラソンの事前練習で30㎞を走ったそうです。
今回は当日発表ということもあり、
そのほかの皆さんも走る「かも」知れなかったので、
それぞれ練習をしていたようです。
ですが、当日発表ということは、
いつもなら1か月以上にも及ぶ本格的な練習ができなかったとも言えます。
どこかで「私かもしれない。でも私ではないかもしれない」と
思いながらの練習です。
その状態でいきなり24時間、これから90㎞走ってください。
それができるかと言えば、ちょっと危険ではないのだろうか?
と素人目には映るのです。
でも練習で30㎞をも走破したブルゾンさんならば、
本番でもそれくらいは走ることはできるでしょう。
周りのスタッフも、それならば安心でしょう。
それならば「GO!」を出せるのではないでしょうか。
以上を踏まえると、本番で25㎞ほどのマラソンというのは
現実味のある話ではないかな?とこう思うのです。
私はこれを「嘘をついた!」とか「やらせだ!」とか
そういうふうに評価したくないのです。
練習もそこそこに、24時間もの間、長距離を走るのは
素人が考えても危険だと思います。
それならば、いろいろと考慮した結果、距離が短くなるのは当然です。
ただ、それを90㎞を走ったんだ!というのは
確かに嘘であり、やらせかもしれません。
でも、その嘘により傷ついた方がどれほどいるでしょうか?
それよりも、その嘘で感動したり、応援した方がいっぱいいたのではないですか?
だからこそ騙された・・・という気持ちになるのもわかります。
しかし逆に、「今年は25㎞しか走りませーん」と開き直ったら
ここまで感動できましたか?
私はテレビはある意味夢を売るものだと思ってます。
ニュースに嘘は許されないけれど、
バラエティ番組に多少の嘘、それも傷つける嘘ではなく
誰かを思う嘘ならば許されると考えます。
今回の24時間マラソンの謎ですが、
私の勘違いであればいいなと思ってます。
ですが、私の仮説が万が一正しかった場合、
それは見ている視聴者をあくまで楽しませるために
起こったことである、と思いたいです。