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飽食大国ニッポン

日本テレビ系「鉄腕DASH」というテレビ番組をよく見ます。

ジャニーズアイドルの中でも特に好きなTOKIOが出ている番組です。

彼らはアイドルにもかかわらず、とにかく思いつくことをやってみるというスタンスで

昔は電車とかけっこ競争をしてみたり、

A地点からB地点まで出来るだけ少ない歩数で進んでみたり、

といろいろなことにチャレンジしていました。

最近は無人島を開拓する「DASH島」や海岸を再生する「DASH海岸」を筆頭に

精力的に活動されています。

そんな中の一コーナー「0円食堂」について今回は語りたいと思います。


0円食堂

このコーナーは、

「日本各地を巡りながら、主にその土地の名産を探し、

 それらを生産している生産者、もしくは普通の野菜農家や漁師などを訪問し、

 まだ食べられるものの、さまざまな理由により捨ててしまう食材を

 無料でいただき、それらを集めて料理して食べよう」

という趣旨のコーナーです。


目の付け所はとてもよく、

毎回結構な量の食材が集まるので、

逆によくこれだけ捨てているものだと感心するほどです。

別に捨てている方を非難しているわけではありません。

いろいろと理由はあります。

でも実際に捨てているのも事実です。

それを利用しようというのは面白い試みです。


もったいない精神


日本には古来からもったいない精神という考えがあります。

農家さんが苦労して作ってくれたお米や野菜、

そして漁師さんが苦労してとってきてくれた魚、

お肉を食べだしたのは比較的最近ですが、

それらをありがたくいただく。

そのためにも食べる前には「(命を)いただきます」

食べた後には「ごちそうさまでした」と感謝します。


ご飯を残すなどもってのほかだし、

お茶碗にお米粒が残っているだけで、怒られたものです。

昔はご飯にお汁、お新香、そして簡単な魚などのおかずだけで、

食べ終わるときに茶碗に米粒が残らないように、

お茶を入れて飲んだり、沢庵で洗うようにして食べたと聞きます。

実際に母も幼いころ、そうやるんだよと教わったそうです。


それがいつからこんなに食べ物を捨てるようになってしまったのでしょうか。


構造に問題が?


一時期、農家がキャベツを捨てていることが問題になりました。

キャベツが豊作で、このまま売ると赤字になってしまうので

しょうがなく捨てているということでした。


キャベツの需要はほぼ一定で、それに対して供給が大きすぎると

値段が安くなりますよね。

それなのに、生産者は売るまでにいろいろとコストがかかります。

梱包から輸送など、ただ売って儲かるという単純なことではないのです。

一つ100円とかの世界です。

儲けもそんなに出ませんよね。

そんな中、さらに値段が安くなったらやっていけません。

それでしょうがなく捨てると。


捨てている農家を責めることはできません。

しかし、そんな構造になっていること自体がおかしいでしょう。

先進国ほどそういう構造になっているそうです。

一方で食糧危機でなくなっている命が多いのが問題なのに、

これはどう考えてもおかしいです。


最終目標


話は「0円食堂」へと戻ります。

このコーナーの最終目標、つまり理想は

「コーナーの存続が無理なこと」

だと思っています。

捨てられてしまう食材を利用しようというのは

とても素晴らしいことだと思います。

しかし、それはあくまで「捨てる食材を少なくしよう」という啓発であるべきだし、

これだけのものが捨てられているんだ」という現実を知るためのものであります。


それがもし、勘違いをして

「0円食堂が来た時のために、これは捨てよう」とか、

「今回は捨てるものがなくて、食材が集まらなくて困る」とか

そういう方向に人々が考え出してしまうと、おかしなことになります。

もちろん番組側は、取れ高としてそういう考えもしなければならないでしょう。

でもあくまで「食材を集めること」が理想ではないということを

肝に銘じなければなりません。

私はいつか、このコーナーが

「ごめんなさい。日本中探しましたが、もう捨てるものがないので

 このコーナーを続けることができなくなりました」 ということで終わることを夢見て、

ご飯は残さずにおいしくいただきつつ、

今日も楽しく「鉄腕DASH」を見ています。